ステロイドは使う量や使用期間の長さによっても副作用の程度が変わってきます。それぞれの病気に対して、適切な使用量と期間を定めることで、できるだけ副作用を少なくすることが大切です。
目次
ステロイド薬とは
ステロイドとは構造式にステロイド核を持つホルモンの総称です。アンドロジェン、プロジェステロン、ミネラルコルチコイド、グルココルチコイドなどたくさんあります。
ただし、普段『ステロイド』と呼ばれるのは副腎皮質から分泌されるグルココルチコイドです。グルココルチコイドは、主に抗炎症作用と免疫抑制作用を期待して使います。
合成ステロイド
治療薬として使用されるステロイドは合成製剤で様々な種類があります。
それぞれにグルココルチコイド作用・ミネラルコルチコイド作用の強弱、作用時間などの特徴があります。
合成コルチコイドの種類
- コルチゾール
- コルチゾン
- プレドニゾロン
- メチルプレドニゾロン
- トリアムシノロン
- デキサメタゾン
- ベタメタゾン
- フルドロコルチゾン
- デオキシコルチコステロン
薬の形
- 錠剤
- 軟膏・ローション
- 注射薬
- 噴霧剤
- 点眼薬
合成ステロイドでの治療
合成ステロイドの副作用
犬猫のステロイド薬 まとめ
犬猫の治療においてステロイドはなくてはならない薬です。特に免疫介在性溶血貧血や免疫介在性血小板減少症などの命にかかわる重大な病気の治療にも欠かせない薬です。ただし、色々な病気に効果が期待できる反面、その副作用もたくさんあります。最近ではその副作用のイメージが先走りしているようにも感じますが…。体重に対してどれくらいの量を使っているか、考えうる副作用、どれくらいの期間使っていくかを飼い主さんにも理解してもらうようにしています。
病気をしっかりと診断して、適切な量を適切な期間で使っていくことが大切です。また、消化管障害(嘔吐や下痢)などの副作用は比較的出やすいので、あらかじめ消化管を保護する薬などを一緒に使っていくことも大切です。
- 『ステロイドの特徴と基本的な使用法』CAP Novembar 2018
- 新獣医薬理学
- シンプル生理学