犬猫の血液検査K(カリウム)|急性腎障害で上昇する数値について獣医師が解説

K(カリウム)

電解質とは血液や体液に含まれる、Na(ナトリウム)、Cl(クロール)、K(カリウム)、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)などのことで、栄養素のミネラルに属します。

目次

犬猫の血液検査 K(カリウム)とは?

K(カリウム)は体内に存在する電解質の1つです。体内のカリウムのほとんどは細胞内に存在しています。細胞内液の浸透圧の調整、神経の興奮、筋肉の収縮、体液のPHバランスの調整などの働きをしています。

犬猫の血液検査 K(カリウム)の正常値は?

  • 犬:3.6〜5.8mmol/l
  • 猫:3.7〜4.6mmol/l

それぞれの病院の機械や外注先の検査機関によって、数値の基準は若干異なります。

犬猫の血液検査 K(カリウム)が低くなる場合は?

  • 食事
    ・食事摂取量の減少
  • 内分泌疾患
    ・糖尿病
    ・副腎皮質機能亢進症 など
  • 体外への喪失
    ・慢性腎不全
    ・利尿(糖尿病・利尿薬)
    ・胃腸管からの喪失(下痢・嘔吐)など
  • 薬剤
    ・インスリン
    ・利尿剤
      →サイアザイド
       フロセミド
       ミネラルコルチコイド

猫の血液検査 K(カリウム)が高くなる場合は?

  • 尿排泄の減少
     ・急性腎不全
     ・腎後性腎不全
     ・膀胱破裂/尿腹症
     ・副腎皮質機能低下症(犬) など
  • Kの移動
     ・アシドーシス
     ・糖尿病/糖尿病性ケトアシドーシス
     ・腫瘍崩解症候群
     ・再灌流障害
        →挫傷
        →大動脈血栓塞栓症
  • 薬剤/毒素
     ・ACE阻害剤
     ・エチレングリコール
     ・スピロノラクトン
     ・トリロスタン
     ・β遮断薬  など
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