犬のコロナウイルス性腸炎 まとめ

犬 コロナウイルス
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犬のコロナウイルス性腸炎とは?

犬のコロナウイルス性腸炎とは、犬コロナウイルス(CCV)によって起こるウイルス性の感染症です。犬コロナウイルスは病原性が強くないため、軽症で終わることがほとんどです。成犬では症状がなく感染に気づかないこともあります。しかし、子犬では時折重症化してしまうことがあるので注意が必要です。

ヒトの新型コロナウイルスと犬コロナウイルスは全く別のものです。

犬のコロナウイルス性腸炎の発症は?

  • 様々な年齢で発症
  • 犬種による発症の差はない
  • 感染した犬の年齢によって症状の程度が異なる

犬のコロナウイルス性腸炎の原因は?

  • 犬コロナウイルス(CCV)の感染
  • 感染した犬の便や吐物を介して感染する
    👉便や吐物との接触
    👉汚染された食器など

コロナウイルスは犬からヒト、ヒトから犬への感染はしないと考えられています。ウイルスの種類ごとに感染する動物が決まっているためです。

犬のコロナウイルス性腸炎の症状は?

成犬の場合

  • 感染しても症状が出ない(不顕性感染)
  • 軽い下痢

子犬の場合

  • 元気・食欲の低下
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 脱水

犬コロナウイルス性腸炎の診断は?

他の病気を除外していく検査

  • 糞便検査
  • 血液検査
  • レントゲン検査
  • エコー検査 など

コロナウイルスの検出

  • PCR検査
    👉IDEXX 社『犬下痢パネル』

上記のPCR検査『犬下痢パネル』では、下痢や嘔吐などの消化器症状を引き起こす感染症をまとめて検出することが出来ます。

犬のコロナウイルス性腸炎の治療は?

  • 基本的には対症治療
    (下痢には下痢止めの薬、嘔吐には吐き気止めの薬 など)
  • 輸液
  • 消化管運動調節薬

コロナウイルス自体をやっつける薬(抗ウイルス薬)はありません。
症状に対する治療がメインです。

犬のコロナウイルス性腸炎の治療のみとおしは?

  • 子犬では重症化すると、脱水や電解質異常を起こして死亡してしまうこともある。
  • 特にパルボウイルスとの混合感染では死亡率が高くなる。
  • 成犬では、軽症(もしくは無症状)に終わることがほとんど。症状に対する治療で回復。

犬のコロナウイルス性腸炎の予防は?

  • 犬コロナウイルスのワクチン接種は可能ですが、実際の有効性は不明。
  • 国際的な犬と猫のワクチネーションガイドラインでは、ワクチンの効果に根拠がないので〝非推奨〟とされている。
  • Small Animal Internal Medicine 4th
  • WASAVA 『Vaccination Guidelines』
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