犬猫の血液検査TP(総蛋白)|体のタンパク質は何を意味する?獣医師が解説

TP(総タンパク)

TP(総蛋白)は血清中に含まれる蛋白質の総和です。
脱水などがある場合にもTPが高くなることがあります。
したがって、検査前に絶食絶水をしている場合にも少し高めに出る傾向があります。

目次

総蛋白(TP)とは?

血液(血清)の中に含まれる蛋白質の総和です。血液中には100種類以上の蛋白質が存在しており、それぞれが生命維持のために重要な働きをしています。その主成分はアルブミン(約70%)とγ-グロブリン(約20%)です。これらのほとんどは肝臓で作られています。

アルブミンは〝栄養状態〟、グロブリンは〝炎症〟の指標です。
どちらの数値に異常が出ているかで、疑われる病気が変わってきます。

総蛋白(TP)の正常値は?

  • 犬:5.5〜7.8 g/dl
  • 猫:5.5〜7.9 g/dl

それぞれの病院の機械や外注先の検査機関によって、数値の基準は若干異なります。

総蛋白(TP)が高くなる場合は?

  • 重度の脱水
  • リンパ腫
  • 骨髄腫
  • 感染症(FIPなど)

総蛋白(TP)が低くなる場合は?

  • 腎糸球体疾患(蛋白漏出性腎症など)
  • 肝疾患
  • 吸収不良(蛋白漏出性腸症など)
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