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犬伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)とは?
犬伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)は、様々なウイルスや細菌の単独もしくは混合感染によって起こる呼吸器の病気です。主に若齢の犬が発症します。ほとんどの場合、安静にすること、もしくは薬の投与で回復しますが、中には重篤化するケースもあります。
犬伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)の原因は?
様々なウイルスや細菌の単独・混合感染
ウイルス
- 犬アデノウイルス2型(CAV2)
- パラインフルエンザウイルス(PIV)
細菌
- Bordetella bronchiseptica
- Streptococcus属菌
- マイコプラズマ など
犬伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)の発症は?
- 一般的に若齢
- 空気を介しての感染、感染した犬との接触がある
- ペットショップやブリーダーから引き取ったばかりという経歴
- 通常は感染後1週間以内に発症
犬伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)の症状は?
- 持続性の咳
- 微熱
- 鼻汁
- 吐き気
- 荒い呼吸、開口呼吸(肺炎などを併発した時)
犬伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)の診断は?
- 問診
・ほかの犬との接触歴やワクチン接種の有無をチェック - 身体検査
・発熱、他の病気の併発をチェック - 聴診
・呼吸音、肺音のチェック - 胸レントゲン検査
・気管支炎・肺炎のチェック - 血液検査
・ほかの病気がないか全身のチェック
犬伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)の治療は?
- 抗菌薬
- 鎮咳薬
- 気管支拡張薬
- ネブライザー
犬伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)の治療のみとおしは?
- 合併症もなく軽症の場合、適切な環境(温度や湿度)の下で安静にすれば1週間程度で自然に治ることが多い。
- 治療が必要な場合、1〜2週間程度の抗菌薬投与で症状はよくなることが多い。
- 症状が良くなっても、最低10日間は治療を継続するのがおすすめ(症状をぶり返しやすい)。
- 稀に重篤化して肺炎を引き起こす。その際には長期的な治療が必要。
犬伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)の予防は?
- CAV2、PIV、B.bronchisepticaに対するワクチンが使用できる。
- CAV2、PIVに対するワクチンはほとんどの混合ワクチンに含まれる。
- 外部との接触機会が多いなど、感染リスクが高い場合にはB.bronchisepticaに対するワクチンの使用が推奨される。
- SA Medicine Vol.16 No.1 2014
『犬伝染性気管気管支炎のインフォームドコンセントのために』