犬の膵炎は高脂肪血症や肥満との関連があるので、〝低脂肪食〟がおすすめです。
犬と猫の膵炎 まとめ
大和市(鶴間・南林間・中央林間)の花岡動物病院では膵炎の診断および治療を行っています。
目次
犬の膵炎の食事療法・栄養管理 〝コンセプト〟
肥満、高脂血症、配慮のない食事(おやつのあげすぎ、人のご飯の残り物など)などは、犬の膵炎との関連が報告されています。したがって膵炎の治療では『低脂肪食』がキーワードとなります。また、患者の状態に合わせた方法で、出来るだけ早期の栄養管理を始めた方が良いと考えられています。例えば、嘔吐や胃停滞が重度な場合には、静脈点滴での栄養管理が勧められます。嘔吐などの症状をコントロール出来ているけれど、自力でのご飯を食べられない場合にはチューブを使った強制給餌なども勧められます。自力でご飯を食べられるようになれば、療法食(低脂肪のドライフード・ウェットフード)を与えていきます。
犬の膵炎の食事療法・栄養管理 〝やり方〟
- 栄養点滴
・中心静脈栄養(TPN)
・末梢静脈栄養(PPN) - 経腸チューブ
・経鼻チューブ
・経食道チューブ(麻酔下で設置)
・胃瘻チューブ(麻酔下で設置)
・経空腸チューブ(麻酔下で設置)
・チューブを使って流動食を給餌していく(この時も低脂肪食が理想) - 自由採食
・食欲が回復して、嘔吐や腹部痛などの症状がコントロール出来た場合
・低脂肪食(療法食)
栄養点滴を行ったグループと経腸栄養を行ったグループを比較すると、経腸栄養を行ったグループの方が膵炎の回復が早いとの報告があります。
犬の膵炎の食事療法・栄養管理 〝回復期の食事〟
- 低脂肪食
・療法食
・手作り食(ささみ・白米・じゃがいも など)
蛋白漏出性腸症の治療でも、低脂肪食の食事療法を行うことがあります。
市販の療法食でも治療反応が悪い場合には、じゃがいも・白米・ささみなどを中心に手作りしてもらうことがあります。
犬と猫の蛋白漏出性腸症 まとめ
大和市の花岡動物病院(鶴間・南林間・中央林間)では蛋白漏出性腸症の診断および治療を行っています。
犬の膵炎の食事療法・栄養管理 〝いつまで食事治療すべき?〟
- 膵炎を起こす原因によっても異なるので、食事療法をいつまで続けるかには明確な答えがない。
- おやつのあげ過ぎやヒトの食べ物などは膵炎の原因となるので控える。
- 基礎疾患として高脂血症がある場合には、低脂肪食を継続する。
高脂血症がない場合でも、膵炎から回復後2週間〜1ヶ月位は低脂肪食を継続してもらっています。
- Encyclopedia of Canine Clinical Nutrition
- Small Animal Internal Medicine 4th