目次
緩和ケアとは?
WHOの定義では…
緩和ケアとは、生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し、的確に評価をおこない対応することによって、苦しみを予防し、やわらげることで、QOLを改善するアプローチである。
つまり、つらさや症状をやわらげるケアです。
以前は〝有効な治療がなくなったときのケア〟でしたが、現在は〝治療と同時に行うケア〟と位置づけられています。
緩和ケアは誰に対して行うもの?
- 命にかかわる病気を持つ犬猫
- 家族(飼い主さん)
緩和ケアの対象となる疾患は?
- がん
- 心不全
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患
- 腎不全
- 神経疾患
- 認知症 など
緩和ケアはがんと関連して考えられることが多いですが、非がん疾患への重要性も高まっています。
緩和ケアの対象となる症状は?
- 痛み
- 消化器症状
・嘔吐/悪心
・消化管閉塞
・腹水
・便秘
・食欲不振 - 呼吸器症状
・呼吸困難
・呼吸不全
・がん性リンパ管症
・上(前)大静脈症候群
・気道閉塞 - 泌尿器症状
・血尿
・上部尿路閉塞
・下部尿路閉塞
・尿路感染症
犬猫の緩和ケア まとめ
緩和ケアは、命にかかわる病気をもつ犬猫、それを支える家族(飼い主さん)に対して行われます。内科治療のイメージが強いですが、時には手術や化学療法(抗がん剤)、放射線治療などもその対象となります。また、『緩和ケア=ターミナルケア(終末期ケア)』と考えられがちですが、緩和ケアは病気のどの段階でも治療と並行して行われるべきものです。かかりつけの先生とよく相談して、愛犬愛猫の状態をよく知ることが緩和ケアの第一歩です。家族にしか気づけない体調の変化もあるはずです。