犬のPEGチューブ(胃瘻チューブ)からの給餌方法|ご自宅で安全に栄養管理を行うために

シリンジと犬の缶詰

PEGチューブ(胃瘻チューブ)とは、自力で十分な食事がとれない犬に栄養や水分、薬を安全に届けるために設置するチューブです。
適切な管理方法を覚えることで、ご自宅でも安心してケアを続けることができます。

この記事では、PEGチューブによる給餌方法や注意点、ご家庭での管理方法についてわかりやすく解説します。

ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の在宅ケアにお役立てください。

目次

PEGチューブ(胃瘻チューブ)とは?

PEG(PercutaneousEndoscopicGastrostomy)チューブとは、お腹から胃へ直接設置する栄養チューブ(胃瘻チューブ)のことです。
口から十分に食事ができない場合でも、胃へ直接栄養を送ることができます。

例えば、次のような場合に設置が検討されます。

  • 食道狭窄
  • 食道バルーン拡張術後
  • 口腔内腫瘍
  • 顎の骨折
  • 神経疾患による嚥下障害
  • 長期間の食欲不振

PEGチューブは栄養を維持しながら治療や生活を続けるための大切なサポートです。
特に食道の病気では、食べ物が通過する刺激を避けながら栄養管理を行えることが大きなメリットです。

PEGチューブからの給餌方法

PEGチューブによる給餌は、一つ一つの手順を落ち着いて行うことが大切です。
動物病院で説明された方法を基本とし、不安がある場合には自己判断せず獣医師に相談しましょう。

①食事を準備する

PEGチューブによる給餌には、流動食やチューブ給餌専用の療法食を使用します。
食事が冷たいままでは胃に負担がかかることがあるため、人肌程度まで温めてから与えることが一般的です。
また、食事は十分になめらかな状態にし、チューブが詰まらないよう注意しましょう。

②犬を落ち着かせる

給餌は静かな環境で行いましょう。
犬は座った姿勢や伏せた姿勢など、上半身が少し起きた状態の方が行いやすいことが多いです。
犬が嫌がる場合は無理に押さえつける必要はありません。
少し時間が経ってから再度挑戦してみましょう。

③チューブを確認する

給餌前には

  • チューブが抜けていないか
  • 接続部が緩んでいないか
  • 挿入部に赤みや腫れがないか

を確認しましょう。
チューブに異常がある場合には給餌を中止し、動物病院へ相談しましょう。

④チューブを水でフラッシュする

給餌前には、少量のぬるま湯でチューブの中を洗い流します。
チューブの詰まりを予防し、食事がスムーズに流れやすくなります。

⑤ゆっくり給餌する

食事はシリンジを使用してゆっくり注入します。
一度に勢いよく流すと、

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 胃の不快感

につながることがあります。
犬の様子を見ながら、ゆっくり進めていくことが大切です。
途中で詰まってしまった場合には、無理に押し進めずに一度病院へ相談するようにしましょう。

⑥給餌後も水でフラッシュする

給餌が終わったら、再度ぬるま湯でチューブ内を洗い流します。
食事が残るとチューブ閉塞の原因になるため、毎回行うことが大切です。

犬の餌の缶詰

PEGチューブ管理で気をつけたいこと

PEGチューブを長期間使用する場合には、日頃の管理が重要です。

挿入部を清潔に保つ

チューブを装着している周囲を毎日観察して

  • 赤み
  • 腫れ
  • 出血

などがないか確認しましょう。
汚れが付着した場合は、病院で指導された方法で優しく清拭します。

チューブの閉塞を防ぐ

薬や食事がチューブ内に残ると詰まりの原因になります。
給餌や投薬の前後には必ず水でフラッシュを行いましょう。

チューブが抜けた場合はすぐ連絡する

PEGチューブが抜けてしまった場合は、自己判断で戻そうとせず、すぐに動物病院へ連絡してください。
設置してから日数が浅い場合には、胃と腹壁が十分に癒着しておらず、緊急対応が必要になることがあります。

在宅ケアで不安を感じたら

初めてPEGチューブを管理する飼い主様は、不安を感じることも多いと思います。
「これで合っているのかな」「食事量は足りているのかな」と迷うこともあるでしょう。
そのようなときは、一人で抱え込まず、かかりつけの獣医師へ相談することが大切です。

通院が難しい犬では、往診によるサポートを利用することで、ご自宅で安心してケアを続けられる場合もあります。

犬を抱きしめる少女

まとめ

PEGチューブ(胃瘻チューブ)は、自力で十分な食事がとれない犬の栄養管理を支える大切な方法です。
正しい給餌方法やチューブ管理を行うことで、ご自宅でも安全に在宅ケアを続けることができます。

当院では、PEGチューブの管理方法や給餌のサポート、在宅での緩和ケアについてもご相談を承っています。

「自宅でのケアに自信がない」「チューブ管理について相談したい」という場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

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