犬の眼瞼腫瘍について|眼瞼腫瘍は外科で治す?

佇んでいるキャバリア

犬の眼瞼腫瘍について|眼瞼腫瘍は外科で治す?

犬の眼瞼腫瘍とは、犬のまぶたに出来る腫瘍のことです。
まぶたの細胞が腫瘍化して、良性もしくは悪性になったものをさします。
「眼瞼腫瘍と言われたけど、目薬で治る?」
「眼瞼腫瘍って手術が必要なの?」
「眼瞼腫瘍って命に関わる?」
といった疑問や心配事もあるかと思います。

まぶたの腫瘍は顔にできるので目立ちますよね…

今回は犬の眼瞼腫瘍について解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の眼瞼腫瘍についての理解を深めましょう。

目次

犬の眼瞼腫瘍について

犬の眼瞼腫瘍は高齢になるとできやすいです。
犬の眼瞼腫瘍は7〜8割が良性の腫瘍です。
良性の腫瘍は悪性の腫瘍とは違い、周囲組織に広がる浸潤や別の場所で腫瘍細胞が増殖する転移をしないため、命に関わることは少ないと言われています。
良性の眼瞼腫瘍には、マイボーム腺腫や皮脂腺腫などがあります。

良性の眼瞼腫瘍の症状

良性の眼瞼腫瘍には、

  • 目ヤニ
  • 充血
  • 痒み
  • 痛み

などの症状が出ることがあります。
目ヤニや充血などの症状は、眼瞼腫瘍が眼にあたる刺激が原因で出てしまいます。
眼瞼腫瘍が大きくなり物理的に視界を遮ることで起こる視覚障害も症状の一つです。
大きくなった眼瞼腫瘍は、犬の生活の質を落とす原因になります。
眼瞼腫瘍は、マイボーム腺腫や皮脂腺腫などの良性腫瘍以外にも悪性の腫瘍が存在します。
まぶたの出来物に気づいたら早めに動物病院で検査や治療を行うことが重要ですね。

眼瞼腫瘍の治療は何をするの?


犬の眼瞼腫瘍では、目ヤニや充血、痒みなどがある場合点眼による治療を行うことがあります。
点眼の種類は、角膜保護剤や、抗生物質などです。
点眼には炎症を抑えることで症状を和らげる効果があります。
点眼による治療は、犬への治療の痛みや麻酔のリスクがありません。
ですが、眼瞼腫瘍そのものを消すのではなく、目ヤニや炎症を抑えるだけにすぎません。
犬の眼瞼腫瘍は大きくなる前に外科手術による摘出が第一の選択になります。

外科手術をせずに様子見てしまうことが多いですね

眼瞼腫瘍ってどんな手術をするの?

眼瞼腫瘍は、全身麻酔をかけてレーザーやメスなどで腫瘍の切除を行います。
麻酔をかけずに切除する方法もありますが、その場合は腫瘍が再発する確率が高いです。
麻酔のリスクがない代わりに、腫瘍の細胞が残ってしまうのですね。
腫瘍の細胞が残ってしまうと、新たに腫瘍ができてしまいます。
再発のリスクを防ぐために、全身麻酔をかけて腫瘍のサイズよりも大きめに切除することが重要となります。
あまりに腫瘍が大きくなってしまうと、大きく切除することが難しくなります。
点眼での治療で症状を和らげるよりも外科的に切除することが第一の選択となる理由ですね。

まとめ

高齢の犬は眼瞼腫瘍ができることがあります。
多くの場合は、良性の腫瘍です。
良性の腫瘍だからと言って放置してしまうと、大きくなった腫瘍が眼に目ヤニや炎症などのトラブルを引き起こします。
良性の腫瘍の場合は命に関わることは少ないですが、犬の生活の質は悪くなってしまうでしょう。
もちろん、悪性の腫瘍の可能性もあります。
眼瞼の腫瘍は、再発を防ぐためにも大きめに外科手術で摘出することが大切です。
放置して大きくなってしまった腫瘍は外科的に摘出することが難しくなってしまいます。
麻酔のリスクが怖くて外科手術に踏み切れないという方もいらっしゃるかもしれません。
当院では麻酔科を専門で担当する獣医師が麻酔管理を行なっています。
麻酔に不安をお持ちの飼い主様も安心して手術を受けていただけます。
犬のまぶたにできものがあるときは、ぜひ当院にご相談ください。

在宅緩和ケア専門動物病院 犬と猫の緩和ケア
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