犬猫の血液検査インスリン|膵臓腫瘍が疑われる時に測定する値を獣医師が解説

血液検査インスリン

インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きをしています。膵臓腫瘍(インスリノーマ)でインスリンが過剰に分泌される場合には低血糖を引き起こします。反対に、インスリンの分泌が少ないときには糖尿病を引き起こします。

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犬猫の血液検査 インスリンとは?

インスリンとは膵臓のランゲルハンス島(β細胞)から分泌されるホルモンです。筋肉、脂肪組織で糖の取り込みを促す働きをします。また、筋肉・肝臓ではグリコーゲンや蛋白質の合成を促進する働きをしています。こうして、血糖値を一定に保つ役割を担っています。

ざっくり言うと血糖値を下げる働きをしています。
糖尿病の患者さんが、自宅で注射をするお薬(ホルモン製剤)です

犬猫の血液検査 インスリンの正常値は?

  • 犬:0.27〜0.65 ng/ml
  • 猫:0.27〜0.69 ng/ml

犬猫の血液検査 インスリンが増加する場合は?

低血糖を発症している場合
  • インスリノーマ(膵β細胞腫瘍)
高血糖を併発している場合
  • インスリン結合抗体
  • インスリン抵抗性

犬猫の血液検査 インスリンが減少する場合は?

  • 糖尿病

糖尿病のときに必ずインスリンが減少するわけではありません。
①インスリンが足りない②インスリンは十分だが効かない
の2つの病態があるからです。

在宅緩和ケア専門動物病院「犬と猫の緩和ケア」
  • Alex Gough Differential Diagnosis In Small Animal Medicine
  • シンプル生理学
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