犬猫の血液検査T4(総サイロキシン)|甲状腺の数値について獣医師が解説

T4(総サイロキシン)

甲状腺機能亢進症は高齢猫で比較的多く見られ、T4(サイロキシン)と呼ばれる甲状腺のホルモンが過剰に分泌される病気です。

犬では、反対にT4(サイロキシン)の分泌が少なくなる甲状腺機能低下症という病気が多いです。

目次

犬猫の血液検査 T4(サイロキシン)とは?

甲状腺から分泌されるホルモンの1つで、細胞の代謝活性を高める働きをしています。
イメージとしては『体を元気にするホルモン』です。

ヒトではこのホルモンが少なくなる病気として、甲状腺機能低下症の1つ『バセドー病』などがあります。

犬猫の血液検査 T4(サイロキシン)の正常値は?

  • 犬:0.84〜3.46μg/dl
  • 猫:0.80〜5.00μg/dl

それぞれの病院の機械や外注先の検査機関によって、数値の基準は若干異なります。

犬猫の血液検査 T4(サイロキシン)が増加する場合は?

  • 甲状腺機能亢進症(猫)
  • 甲状腺癌
  • 若齢犬
  • 肥満
  • 妊娠中の雌犬
  • 食事
     👉大豆
  • 総T4自己抗体
  • 薬剤
     👉甲状腺ホルモンの過剰な供給

犬猫の血液検査 T4(サイロキシン)が減少する場合は?

  • 甲状腺機能低下症
     👉後天性
     👉先天性
  • 甲状腺以外の疾患(ユーサイロイドシックシンドローム)
     👉腫瘍
     👉全身性感染症
     👉循環器疾患
     👉貧血
     👉糖尿病
     👉クッシング症候群  など様々な疾患
  • 薬剤
     👉抗てんかん薬
     👉グルココルチコイド
     👉メチマゾール
     👉ヨウ素の補給   など
在宅緩和ケア専門動物病院「犬と猫の緩和ケア」
  • Alex Gough Differential Diagnosis In Small Animal Medicine
  • シンプル生理学
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