まとめ

犬の甲状腺機能低下症 まとめ

犬 甲状腺機能低下症

犬の甲状腺機能低下症とは?

甲状腺機機能低下症は、甲状腺ホルモンの欠乏により引き起こされる病気です。 症状は多岐にわたりますが、代表的なものとしてホルモン性脱毛(対称性脱毛)、活動性低下などがあげられます。

犬の甲状腺機能低下症の原因は?

甲状腺機能低下症の原因として
原発性甲状腺機能低下症
②二次性甲状腺機能低下症
の2つに大別されます。

原発性機能低下症は甲状腺自体に原因があります。

二次性甲状腺機能低下症では甲状腺以外の場所に原因があります。

二次性甲状腺機能低下症の発生はまれで、ほとんどが甲状腺自体に問題がある原発性甲状腺機能低下症です。

犬の甲状腺機能低下症の症状とは?

  • なんとなく元気がない
  • 毛が薄くなる(体幹部やしっぽに多い)
  • 全身のむくみ
  • 太ってきた
  • 皮膚が黒ずんできた(皮膚の色素沈着)
  • 発作
  • 前庭症状(斜頸や眼振)
体幹部の脱毛


犬 甲状腺機能低下症

ニキビダニ症を併発


犬 甲状腺機能低下症

犬の甲状腺機能低下症は脱毛などの皮膚症状で発見されることが多いです。
ホルモン性の脱毛は
①左右対称に毛が抜けている
②あまり痒がらない
がポイントです。
二次的に細菌感染などがあると痒みもありますが・・・

犬の甲状腺機能低下症の診断は?

  • 血液検査
    👉非再生性貧血
    👉高脂血症
  • 甲状腺ホルモン測定(血液検査)
    👉甲状腺ホルモン(T4,fT4)
    👉甲状腺刺激ホルモン(TSH)
  • 超音波検査
    👉甲状腺のサイズチェック
甲状腺機能低下症は主に甲状腺ホルモンの数値を見て診断します。ただし、数値だけを見ていると間違って診断してしまうことがあります。

ユーサイロイドシックシンドローム(Euthyroid sick syndrome)という体の反応があるからです。

これは、甲状腺以外の病気の時に、体の活動性を抑えて病気をやり過ごそうとする反応です。
イメージとしては熊の冬眠のようなものです。
(無駄な力を使わないように冬眠で代謝を抑えて、冬の季節をやり過ごす感じ・・・)

この時には代謝を促す甲状腺ホルモンの濃度は低下しているので、甲状腺機能低下症と間違って判断してしまう恐れがあります。

✅甲状腺機能低下症を疑う症状がある
✅甲状腺ホルモンの数値が低い
✅ユーサイロイドシックシンドロームを引き起こす別の病気がない

ということを総合的に判断して診断する必要があります。

犬の甲状腺機能低下症の治療は?

  • 甲状腺ホルモン薬の内服(合成レボチロキシン)
    👉定期的に血液検査で甲状腺ホルモン濃度を測定

甲状腺機能低下症のほとんどが、甲状腺ホルモン薬の内服で症状がよくなります。
非常に稀ですが、甲状腺や脳下垂体の腫瘍が原因となる場合は下記の治療を考えます。

甲状腺や脳下垂体の腫瘍が原因の場合
  • 外科治療(手術)
  • 放射線治療
  • 抗がん剤治療

犬の甲状腺機能低下症の治療の見通しは?

予後は良好です。
ほとんどの場合、甲状腺ホルモンの内服で症状が改善します。

ただし、基本的に生涯にわたってこの薬を飲み続ける必要があります。
薬の副作用がないか、薬の量が適切かを判断するため定期的に甲状腺ホルモンの測定を行う必要があります。

〝なんとなく元気がない〟などの症状は薬を始めて1週間ほどで改善してきますが、脱毛や神経症状などの症状は1〜数ヶ月かかることがあります。

原因が脳下垂体や甲状腺の腫瘍の場合には、その腫瘍の大きさや転移の有無によって、治療方法が変わってくるので予後は様々です。

  • Small Animal Internal Medicine 4th