うちの犬が突然発作を起こしました。
ネットで調べると〝てんかん〟かもと・・・
発作には〝てんかん発作〟と〝非てんかん発作〟の2つがあります。
そのうちの〝てんかん発作〟を繰り返す脳の病気を『てんかん』とよびます。
これらの用語はどれも似ていて複雑ですが、違いを意識すると病気の理解に役立ちます。
その発作はてんかん発作?
発作とは病気あるいはその症状が突然発症して、多くが短時間で消えるものと定義されています。
発作には様々な原因があり、
①てんかん発作
②それ以外の発作(非てんかん発作)
の2つに分けられます。
発作には様々な原因があり、
①てんかん発作
②それ以外の発作(非てんかん発作)
の2つに分けられます。
非てんかん発作
- 心臓発作
- 疼痛発作
- 代謝異常
- 失神・虚脱
- ナルコレプシー など
犬の『てんかん発作』と『てんかん』とは?
- 『てんかん発作』
👉〝症状〟
👉色々な原因によって脳(大脳)の神経細胞が過剰に興奮して起こる発作症状 - 『てんかん』
👉〝病名〟
👉繰り返しのてんかん発作を起こす脳の病気
何となく聞き流しているこの2つの言葉の違いを意識すると、病気のことがよく分かってきます。
もう一度言いますが、〝てんかん〟は〝てんかん発作〟を繰り返し起こす病気です
中毒や低血糖などの一時的な病気で1回だけの〝てんかん発作〟を起こす場合には〝てんかん〟とは診断しません。
てんかん 原因による分類
- 特発性てんかん
👉てんかん発作を起こす原因が見られない場合
👉体質あるいは遺伝的な要因が関わっている - 症候性てんかん
👉脳の器質的な病変が原因でてんかん発作が起こす場合
👉脳の先天性奇形、脳の腫瘍、脳の外傷、脳血管障害、脳炎などが原因となる - 潜在性てんかん
👉脳の器質的な病変から起こる発作と考えられるけど、その器質的な病変を明らかにできない場合
〝器質的病変〟とはMRI検査などで、目にみえてわかる病変です。
例えばMRIで発見した脳腫瘍は器質的病変です。
〝特発性てんかん〟と〝症候性てんかん〟の割合は、犬で約半々といわれています。
脳以外の病気によるてんかん発作
脳の病変以外にもてんかん発作を引き起こすことがあります。この場合『反応性てんかん発作』と呼ばれます。
脳の機能が一時的に障害された時に起こる、正常脳の反応です。
脳の機能が一時的に障害された時に起こる、正常脳の反応です。
反応性てんかん発作をおこす場合
- 代謝性
👉低血糖
👉肝性脳症
・門脈体循環シャント など
👉腎不全
👉電解質異常
・高ナトリウム血症
・低ナトリウム血症
・低カルシウム血症 - 栄養性
👉チアミン欠乏症 など - 中毒
👉エチレングリコール
👉鉛 など
てんかん発作を起こしたとき、まずは血液検査で脳以外に病気がないかをチェックします。

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