まとめ

犬のアトピー性皮膚炎 まとめ

犬のアトピー性皮膚炎とは?

犬のアトピー性皮膚炎とは、ダニや花粉などの環境中のアレルゲン(抗原)に対して免疫が過剰に反応して起こるアレルギー性皮膚炎のひとつです。

特定の食べ物に対して起こる皮膚炎は『食物アレルギー』と呼びます。

病気の原因は〝体質〟によるものなので、完治させることが難しいです。 生涯にわたって上手く付き合っていく必要があります。

犬のアトピー性皮膚炎の発症は?

  • 3歳以下での発症がほとんど(約7割)
  • 柴犬、ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアなどが好発犬種

犬のアトピー性皮膚炎の症状は?

  • 舐める
  • 噛む
  • 引っ掻く
  • こする
  • 脱毛
  • 皮膚の黒ずみ
  • 皮膚の肥厚

症状は顔、脇、お腹、指の間にみられることが多いです。

犬のアトピー性皮膚炎の診断は?

  • 皮膚の痒みを引き起こす他の病気を除外
    👉毛包虫症、疥癬、膿皮症、マラセチア性皮膚炎、
    角化異常、食物アレルギーなど
  • 検査
    👉掻爬試験、被毛検査、テープストリップ検査、
    スタンプ検査、食物除去試験、食物アレルギー検査
  • Favortの診断基準(8項目中5項目以上)
    □発症年齢が3歳未満
    □主に室内での飼育
    □グルココルチコイド(ステロイドの1種)で痒みが落ち着く
    □慢性あるい再発する酵母感染
    □前肢に皮膚病変がある
    □耳介に皮膚病変がある
    □耳介の辺縁部には皮膚病変がない
    □腰背部には皮膚病変がない

犬の疥癬はアトピー性皮膚炎の症状にすごく似ています。
犬の疥癬では虫体を見つけれないこともあるので、駆虫薬を使って症状が良くなれば〝疥癬〟と診断することもあります。

犬のアトピー性皮膚炎の治療は?

〝体質〟が関与している病気なの基本的には『完治』は期待できません。
下記の治療を組み合わせて、症状を最小限に抑えることを目指します。 

減感作治療だけは完治を目指せますが・・・
うまくいかないことも多いです。

  • 飲み薬
    👉ステロイド
    👉オクラシチニブ『アポキル』(痒み止めの薬)
    👉抗ヒスタミン薬
    👉シクロスポリン(免疫抑制剤)
  • 外用薬
    👉ステロイドの塗り薬(局所の治療)
  • 注射薬
    👉ロキベトマブ『サイトポイント』(痒み止めの薬)
    👉減感作治療『アレルミューン』
  • シャンプー
    👉保湿系のシャンプー(週に1回程度)
    👉二次的な細菌感染がある場合には、まず抗菌系シャンプー
    👉シャンプー後に保湿剤

皮膚炎のコントロールにはシャンプーはとても有効ですが、間違ったシャンプーの仕方は症状を悪化させてしまうこともあります。

犬アトピー性皮膚炎の治療のみとおしは?

〝完治〟は難しい病気です。
薬の量や副作用を最小限に抑えながら生活の質を保つことを目指します。
シャンプーや保湿剤などを使ったスキンケアを組み合わせることがとてもに重要です。

  • SA Medicine Vol.14 No.5 2012
  • Small Animal Dermatology 7th