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犬パルボウイルス感染症とは?
犬パルボウイルス感染症はとても伝染力の強い病気です。 特に子犬で重症化しやすく、命に関わる重大な病気です。主に激しい嘔吐、腹痛症状、血便を起こし、多くの子犬は数日で死亡してしまいます。主に激しい嘔吐、腹痛症状、血便を起こし、多くの子犬は数日で死亡してしまいます。1978年から1985年頃にかけて世界的に大流行し、日本でも同様の流行が見られました。その後はワクチンの普及により流行は抑えらていますが、国内では散発的な発生が常に見られています。
犬パルボウイルス感染症の原因は?
犬に感染するパルボウイルスには2つの型
- 犬パルボウイルス1型(CPV-1)
👉比較的病原性の弱いウイルス
👉1〜3週齢の子犬に対しては胃腸炎、肺炎、心筋炎を引き起こす - 犬パルボウイルス2型(CPV-2)
👉典型的なパルボウイルス性腸炎の原因
感染経路
- 感染経路は経口・経鼻感染(主に経口)
👉嘔吐物
👉糞便
👉キャリー など

パルボウイルスは非常に強いウイルスで、数ヶ月〜数年間、環境中で感染性を維持し続けます。
犬パルボウイルス感染症の症状は?
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲不振
- 腹痛症状
- 嗜眠
- 発熱
- ショック症状
重篤な合併症
- 敗血症
- 全身性炎症反応症候群(SIRS)
- 播種性血管内凝固症候群(DIC)
- 心筋炎



上記の重大な合併症を起こした時には、致死率が非常に高いです。
犬パルボウイルス感染症の診断は?
- 院内迅速キット(抗原検査)
・糞便から検査
・院内で素早く検査できる
・検査感度は70〜80% - PCR検査
・院内迅速キットで検出できない場合
・感染犬の90%以上で検出可能 - 血液検査
・白血球減少
・DIC
・電解質異常 など
犬パルボウイルス感染症の治療は?
- 有効な抗ウイルス薬はない
- 基本的には対症治療
・点滴
・抗菌薬
・制吐剤
・鎮痛剤 など
- 有効な抗ウイルス薬はない
- 基本的には対症治療
👉点滴
👉抗菌薬
👉制吐剤
👉鎮痛剤 など



治療と同時に他の犬へのウイルスの拡散を防止することがとても重要です。一般的に使われている消毒薬(アルコール、クレゾールなど)では効果がありません。次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系消毒薬で消毒できます。
犬パルボウイルス感染症の治療の見通しは?
- 嘔吐、血便、白血球減少などの典型的症状がみられる場合には死亡率は90%以上。
- 軽度発症の犬は発症後1〜2日で自然回復することがある。
- 中等度発症の犬は病院で補助治療を行って3〜5日で回復することがある。
犬パルボウイルス感染症の予防は?
- ワクチン接種が重要。
- 子犬では母親からもらった免疫(移行抗体)が残っていると、ワクチンの十分な効果が得られない。
移行抗体が消失する時期は個体によりばらつきがあるので、ワクチン効果を確実するには複数回のワクチン接種が必要になる。
ワクチンプロトコール
- 6〜8週齢で初回接種
- その後16週齢まで3〜4週ごとに追加接種
- その後1年後にブースター効果を目的とした接種
- その後1〜3年毎にブースター効果を目的とした接種
- Small Animal Internal Medicine 4th
- 『犬パルボウイルス感染症のインフォームドコンセントのために』SA Medicine Vol.16 No.1 2014