慢性的な下痢をしている子に対して、食物繊維が多く入ったフードを与えると下痢をうまくコントロールできることがあります。
これを『線維反応性腸症』と言います。
目次
犬の線維反応性腸症とは?
慢性的な大腸性下痢を繰り返す犬の中には、食物線維を含んだ食餌を与えることによって、下痢のコントロールが可能になる場合があります。これを〝線維反応性腸症〟と診断します。食物線維を加えることで、糞便量が増加して正常な結腸運動のための重要な刺激となります。そして、結腸の運動性が改善され、下痢症状が改善するのではないかと考えられています。
犬の線維反応性腸症の発症は?
犬の線維反応性腸症の原因は?
- よく分かっていない
- ストレスとの関連も指摘されている
・生活環境の変化
犬の線維反応性腸症の症状は?
- 鮮血便
- 粘液を伴う便
- しぶり
- 下痢
- 時々嘔吐や食欲低下
犬の線維反応性腸症の診断は?
- 除外診断
・下痢を起こす他の病気がない - 食物線維を付加した食事で症状が改善
下痢をおこす病気はたくさんあります。線維食への変更でうまく症状がコントロールできる場合には『線維反応性腸症』と仮診断します。
犬の線維反応性腸症の治療は?
- 食物繊維を加えた消化に良い食事
具体例
- 療法食
・w/d(Hills社)
・腸内バイオーム(Hills社)
・消化器サポート高線維(ロイヤルカナン 社) - サイリウム(オオバコ線維)の添加
・metamucil (大さじ1〜3杯/日) など
犬の線維反応性腸症の治療の見通し(予後)は?
- 食餌治療を減量したり、完全に中止できることもある。
- 中には、長期間食餌治療を必要とする場合もある。
- Small Animal Gastroenterology