短頭種気道症候群|いびきをしている短頭種は要注意!

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短頭種気道症候群とは?

パグ、フレンチ・ブルドック、ボストンテリアといった、『短頭種』といわれる品種は頭部・頸部の特徴的な作りによって気道が閉塞しやすく、呼吸困難や喘鳴などを中心に様々な症状がみられます。これらの症状を総称して〝短頭種気道症候群〟と呼びます。イビキをするだけといった軽症例から呼吸困難で命を落としてしまう重症例まで病気の程度は様々です。それぞれの症状にあわせた治療が必要になります。

短頭種気道症候群を引き起こす特徴的な作りとは?

  • 外鼻孔狭窄
  • 軟口蓋過長
  • 気道低形成
  • 喉頭室外反
    ・気道抵抗の増大による二次的な異常
  • 喉頭虚脱
    ・気道抵抗の増大による二次的な異常
  • 扁桃の腫大
    ・気道抵抗の増大による二次的な異常

短頭種気道症候群の症状とは?

呼吸器系の症状

  • 喘鳴
    👉『ヒューヒュー』
  • いびき様呼吸
    👉『グーグー、ブーブー』
  • 頻呼吸、パンティング
    👉口を開けた速い呼吸
  • いびき、睡眠時無呼吸症
  • 発咳
  • 誤嚥性肺炎
  • 非心原性肺水腫

消化器の症状

  • 食欲不振
  • 嚥下障害
  • 吐出・嘔吐

全身性の症状

  • 運動・興奮不耐性
  • 失神・虚脱

心臓の症状

  • 洞性不整脈

短頭種気道症候群の治療は?

  • 内科治療
    ・症状が軽い場合には体重管理、体温管理、環境管理により興奮や肥満を抑える
    ・薬物療法(鎮静薬で興奮をコントロール、抗炎症薬で喉頭の浮腫を抑える)
  • 外科治療
    ・二次的な変化が起きる前の早期の手術がすすめられている。
    ・軟口蓋切除術、外鼻孔形成術、喉頭小囊切除、扁桃切除

短頭種気道症候群の治療のみとおしは?

  • 内科治療ではあくまで症状の進行を遅らせるもので、いずれ悪化する可能性がある。
  • 症状の程度によっても違うが、概ね手術によって症状の改善もしくは軽減が期待できる。
  • 喉頭虚脱などの二次的な異常が出る前に手術を行うことが推奨されている。
在宅緩和ケア専門動物病院「犬と猫の緩和ケア」
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