犬猫の高血圧|健康診断で高血圧と診断されたらどうするか獣医師が解説

犬猫の高血圧まとめ

犬猫にも〝高血圧〟を起こすことがあります。犬猫の場合には、基礎疾患(おおもとの病気)があって高血圧を起こすことが一般的です。反対に人では原因疾患がない、もしくは特定出来ない高血圧が約90%といわれています。

目次

犬猫の血圧 測定方法は?

  1. 観血法
  2. 非観血法
    👉普段の臨床現場ではこちらが一般的

検査を嫌がる場合には、正確な測定が難しいこともあります。

犬猫の血圧 正常値は?

  • 収縮期血圧(最高血圧) 100〜150 mmHg
  • 拡張期血圧(最低血圧) 60〜100 mmHg

犬猫の血圧 高血圧の目安は?

  • 収縮期血圧(最高血圧) >150 mmHg
  • 拡張期血圧(最低血圧) >95 mmHg

犬猫の血圧 高血圧を起こす病気は?

高血圧を引き起こす病気
  • 副腎の病気
    ・副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
    ・高アルドステロン症
    ・クロム親和性細胞腫
  • 貧血
  • 中枢神経系疾患
  • 内分泌疾患
    ・末端肥大症
    ・糖尿病(犬)
    ・高エストロゲン症
    ・甲状腺機能亢進症(猫)
  • 血液高粘稠度
    ・高グロブリン血症
    ・多血症
  • 腎疾患
    ・腎動脈疾患
    ・腎実質性疾患
      →アミロイド症
       糸球体腎炎
       糸球体硬化症
       腎盂腎炎
  • 甲状腺疾患
    ・甲状腺機能亢進症(猫)
  • 薬剤
    ・エリスロポエチン
    ・コルチコステロイド  など

犬猫の血圧 高血圧の合併症は?

  • 腎臓
    ・多飲多尿
    ・体重減少
    ・食欲不振
    ・嘔吐
    ・蛋白尿

  • ・突然の失明
    ・瞳孔散大
    ・眼内出血
  • 中枢神経
    ・痙攣発作
    ・虚脱
    ・抑鬱
    ・眼振
    ・斜頸
    ・運動失調
  • 心臓血管系
    ・運動不耐性
    ・呼吸不全
    ・心雑音
    ・不整脈

犬猫の血圧 高血圧の治療は?

  • 基礎疾患(おおもとの病気)の治療
  • 体重のコントロール
    👉特に犬では肥満犬に多い
  • 薬でのコントロール
    👉降圧剤
在宅緩和ケア専門動物病院「犬と猫の緩和ケア」
  • Alex Gough Differential Diagnosis In Small Animal Medicine
目次