「最近、寝ていることが増えてトイレに行かなくなってきた」
「便秘気味で便が出にくそう」
「漏らしてしまうことが多くなってきた」
愛犬が高齢の場合や持病がある場合、排便に関わるトラブルで日々悩んでいる飼い主もいらっしゃるのではないでしょうか。
犬の排便管理は、健康状態の把握や生活の質(QOL)を維持するうえで非常に重要です。
特に高齢犬や病気を抱えた犬では、排便に関わるさまざまなトラブルを抱えていることが多く、適切な在宅ケアが必要になります。
この記事では、日常的な排便管理からトラブル時の対応まで詳しく解説します。

ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の在宅ケアを行う際にお役立てください。


愛犬の排便の変化
近年、犬も人と同様に高齢化により自宅で介護を行う場面が増えています。
そこで多くの飼い主様が直面するのが愛犬の排便管理です。
加齢や持病により体力や筋力、消化機能や排泄機能などが低下し、さまざまな排泄トラブルが起きてきます。
- トイレまで自力でいけない、漏らしてしまう
- 自力で排泄ができない
- 下痢をしている
- 便秘になる
- 排泄の際にお尻が汚れてしまう
上記のような愛犬の排便に関わるお悩みをもつ飼い主様も少なくありません。
愛犬の状態を把握し、適切な在宅ケアを実施してあげることで愛犬と飼い主様のQOL(生活の質)を保ってあげることができます。
犬の正常な排便とは
ご自宅で排便管理を行う場合には、犬の正常な排便の状態を知ることが重要です。
正常な犬の排便の状態は、以下のとおりです。
- 適度な硬さ(掴める程度)
- 茶色〜濃茶色(食事内容により変化あり)
- 1日1〜2回程度の排便
- 強すぎない臭い
以下のような状態は消化器の異常が疑われるため、すぐに動物病院を受診しましょう。
- 下痢(軟便・水様便)
- 便秘(3日以上出ない、いきむ)
- 血便や黒色便
- 強い臭い
- 排便時に痛がる
在宅でできる排便管理の基本
ご自宅で愛犬の排便管理を行う際に気をつけるポイントや、ケアのコツをそれぞれ解説していきましょう。
食事管理
排便の質は食事で大きく変わるため、食事管理はとても重要です。
- 食物繊維の適切な摂取する
- 消化の良いフードを選ぶ
- 急なフード変更は避ける(7日程度かけて移行)
食物繊維を適切に摂取することは、下痢予防にも便秘予防にも有効です。
消化が悪い食事や脂肪分が多い食事は排便トラブルに繋がることがあるため、できるだけ避けるようにしましょう。
水分管理
水分不足は便秘の大きな原因となります。
- 常に新鮮な水を用意
- ウェットフードを混ぜる
- ぬるま湯でふやかす
上記のような工夫を行い、水分摂取をしっかり行っていきましょう。
運動
適度な運動は腸の動きを活発にするために重要です。
毎日の散歩や軽い遊びをすることは、飼い主とのコミュニケーションともなります。
高齢犬や歩行が困難な犬は無理のない範囲で行いましょう。
排便リズムの把握
犬の場合、通常食後30分〜1時間で排便することが多いですが、食事量や内容、体質によって異なってきます。
愛犬の排便時間や回数、便の状態を記録することで、変化に気がつきやすくなります。
排便介助
加齢や持病により自力で排便姿勢を取れない場合は、タオルやハーネスで体を支えたり、後ろ足を補助したりすることで排便介助を行います。
決まった時間にトイレに誘導してあげることで、スムーズに排泄を促してあげることができます。
またお腹を優しく円を描くようにマッサージしたり、肛門周囲を軽く刺激することで排便を介助してあげることも可能です。
このような排便介助を実施する場合は、必ず獣医師と相談してから行うようにしましょう。
おむつの使用
失禁してしまう場合や排便コントロールが難しい場合には、犬用おむつの使用が有効です。
市販のおむつを使う場合はサイズを確認し、愛犬にフィットするものを選びましょう。
サイズが異なると、擦れによって皮膚炎などが起きてくる場合があります。
排便頻度を把握してこまめな交換を行い清潔に保ちましょう。
皮膚のケア
排便後は必ず皮膚を清潔に保ちましょう。
ぬるま湯やお尻拭きシートで優しく汚れを拭き取り、しっかり乾燥させます。
また、お尻周りの毛をカットしてあげると清潔に管理がしやすくなります。
お尻を何度も洗ったりを繰り返すと乾燥の元となるため、保湿を実施してあげることも重要です。


便秘時の対応
在宅ケアを行っている犬は飲水量の不足や運動不足などにより、便秘傾向になる場合も多いです。
便秘が軽度であれば、以下のような対処法で改善するか試してみてみましょう。
- 水分摂取を増やす
- 食物繊維を追加する
- 運動量を増やす
ただし以下の場合は、自力で排便をするのが困難な可能性があるため、動物病院を受診するようにしましょう。
- 3日以上排便がない
- 強くいきんでいる
- 嘔吐を伴う
下痢時の対応
加齢や持病がある場合、消化機能の低下により下痢を起こしやすくなる場合があります。
下痢が軽度の場合は、以下のよう対処法を実施してみましょう。
- 消化の良い食事へ変更する
- 食事を少量ずつあげてみる
- 水分摂取をしっかり行う
食欲もあり下痢も1〜2日で改善する場合は大きな問題はありません。



しかし、以下のような症状がみられる場合は早めに動物病院を受診しましょう。
- 下痢が何日も続く
- 排便回数が増える
- 血便がでる
- 元気・食欲がない
- 嘔吐している
下痢が続くと脱水の原因となり、全身状態の悪化に繋がることもあるため早めの対策が重要です。


まとめ
犬の排便管理は、健康管理そのものです。
適切な在宅ケアの実施と、愛犬の日々の観察で小さな変化に気づきやすくなり、愛犬の健康を守ることができます。
当院は緩和ケアに力をいれています。



愛犬の排便の状態が気になる場合や、在宅でのケアの方法までいつでも当院にご相談ください。












