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犬の特発性多発性関節炎とは?
特発性関節炎は、いくつかの関節で炎症が起き、発熱や元気食欲の低下など全身的な症状が見られる病気です。骨に異常がない多発性関節炎(非びらん性多発性関節炎)の中で基礎疾患を持たないものを『特発性多発性関節炎』と呼びます。基礎疾患(関節炎に至るおおもとの病気)として、消化器疾患、慢性炎症、腫瘍、感染症などがある場合には『反応性多発性関節炎』と診断します。
犬の特発性多発性関節炎の原因は?
免疫系の異常が原因と考えられていますが、はっきりとは分かっていません。
犬の特発性多発性関節炎の症状は?
- 発熱
- 元気消失
- 食欲不振
- 四肢の跛行が移り変わる
- 慎重に歩く様子
・階段や段差を嫌う - 原因不明の痛み
・抱き上げると〝キャン〟と鳴く - 関節の腫れ など
犬の特発性多発性関節炎の診断は?
- 身体検査
- レントゲン検査
- 血液検査
- 関節液検査
関節液穿刺のイメージ
関節液検査:炎症細胞(非変性好中球)の増加
犬の特発性関節炎の治療は?
- ステロイド薬
- 免疫抑制薬
犬の特発性関節炎の治療のみとおしは?
- 多くは投薬治療により症状の改善がみられる。
- 約半数では寛解(症状が落ち着いた状態)し、休薬することができる。
- 残りの半数では継続的に薬を飲む必要がある。
- 重症例ではステロイド薬と免疫抑制薬を併用する必要がある。