犬と猫の肛門腺炎(肛門嚢炎)|お尻が腫れる病気について獣医師が解説

肛門嚢炎
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肛門腺炎(肛門嚢炎)とは?

肛門腺とは、肛門の左右に一対ある分泌腺です。袋状の形をしており、肛門嚢とも呼ばれます。肛門腺炎(肛門嚢炎)とは、肛門腺(肛門嚢)が感染などにより炎症をおこしている状態です。膿瘍や蜂窩織炎(皮膚および皮下組織の急性細菌感染)を引き起こすことがあります。

肛門腺炎(肛門嚢炎)の発症は?

  • 犬に多く、猫でも時々発生する
  • 小型犬種(プードルやチワワなど)に多い

肛門腺炎(肛門嚢炎)の症状は?

  • 部を気にする様子
    ・おしりを追いかける、噛む、舐めるなど
  • 疼痛
  • 肛門嚢の腫脹、瘻管形成、排膿
  • 排便困難、便秘
  • 発熱

肛門嚢炎:左肛門嚢の腫脹および発赤

左の肛門嚢が腫れている犬

肛門嚢炎症:右肛門嚢の腫張・瘻管形成・排膿

右の肛門嚢から排膿されている様子

肛門腺炎(肛門嚢炎)の診断は?

  • 視診および直腸検査

肛門腺炎(肛門嚢炎)の治療は?

  • 肛門嚢を絞って抗菌薬の注入
  • 抗菌薬の内服
  • 抗菌薬軟膏の塗布
  • 膿瘍には切開・排膿・洗浄
  • 手術:肛門嚢切除

肛門腺炎(肛門嚢炎)の治療のみとおしは?

  • 肛門嚢の洗浄および抗菌薬治療にて、ほとんどの場合は完治する。
  • 再発を繰り返す場合や内科治療に反応しない場合には外科的に肛門嚢を切除する必要がある。
在宅緩和ケア専門動物病院「犬と猫の緩和ケア」
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